人生100年時代の蓄えは?個人の投資運用が求められている時代だ
5/22の朝日新聞の記事が話題になっています。 簡単にいうと、国のレポートで年金だけでは老後生活が保証できないと。
記事には「資産寿命」と書かれていますが、人生を全うする上での必要なお金がどんどん増えており、現状の年金だけではまかなえないということです。(資産寿命、朝日新聞にしては良い表現です)
日本はつぎの大きな課題を抱えています。
- 少子高齢化社会
- 金融資産の投資比率が低い
1つ目の「少子高齢化社会」は人口構造の問題です。先進国の中でも日本国は、先陣をきって高齢化社会に突入し、現状の若者だけでは老人の生活を負担できない「年金の問題」です。
2つ目の「金融資産の投資比率が低い」は個人資産の運用の問題です。日本人は貯蓄・貯金の比率が多く、資産運用をしたがりません。ほぼ0%と銀行の金利が低迷しているのに比べ、GDPの成長率は1-2%。経済は成長しているのに金融資産は成長していません。貯蓄していても価値は減っていくということです。
個人でもできる資産運用
今回の国のレポートに限らず、日本国はずっと「個人資産の運用を自らしてください」と言い続けています。年金機構はGPIFという名で、年金のお金を運用しています。
個人資産の運用の手段として、つぎのような仕組みを国は提供しています。
- 年40万円まで20年間非課税で投資できる「つみたてNISA」
- 個人型の確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」
これらの仕組みを使って、個人も長期的な運用をしていきましょう。S&P500などインデックス系の投資信託やETFを長期的に保有するのも、ひとつの手段です。1900年以降の金融資産の運用リターンでも効果は証明されています。
貯蓄すれば資産が増えるという幻想
ゆうびん貯金しておけば資産が増えると思っている方、特に50歳以上のバブル経済を知っているがいまだにいます。当時、金利が5%以上あった経験を忘れられず幻想をもっており、現状の金利0%を認識していない人がいます。冗談のようだと思いますが、本当にいます。
貯金やかんぽ生命保険で、資産運用できた時代はすでに終わっています。資産運用は日本国に閉じず、世界に目を向けて実行しないといけません。
あわせて読みたい書籍「LIFE SHIFT」
「人生100時代」の言葉が生まれた書籍です。寿命が100年に伸び、今まで誰も経験していない社会をどう生きていくべきか書かれています。「人生寿命」と「資産寿命」の意味を確認しながら、自身のとる行動のきっかけとなれば良いと思います。
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参考リンク
朝日新聞の記事となった国のレポートです。
金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)
https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/market_wg/siryou/20190522/01.pdf
つぎは 三菱UFJ信託銀行の「個人資産形成の促進に向けて」です。
https://www.tr.mufg.jp/houjin/jutaku/pdf/u201903_1.pdf
金融庁による、日本国のNISA口座の統計です。国が発表しているということは、それだけ大きな課題となっているということだと認識しましょう。