ピープルマネジメントに「マズローの欲求5段階説」を取り入れる
ピープルマネジメントは、時間の効率性、生産性の向上、そのヒトのキャリアアップを実現して、組織の目的を達成します。
マネジメントという言葉である以上、目的は「結果につなげる」ことです。
メンバーの欲求レベルを確認し、課題を発見・解決することでキャリアアップに繋がったり、生産性の向上になることもあります。
ピープルマネジメントでたどりつくところは、メンバーの自己実現欲求と組織目標のすり合わせと、結果にコミットすることです。Win-Winの関係にまで、到達しましょう。
なぜメンバーの欲求レベルを知る必要があるのか
ピープルマネジメントは、メンバーと組織の価値観すり合わせとが必要だといわれています。価値観とは「良し悪し」や「賛成否定」の判断材料になる基準 / 考え方です。基準 / 考え方をさらに分解していくと、感情や欲求といったメンタルな部分までたどりつきます。
メンバーが何に対しての欲求を満たしたいのか、欲求を満たせていないことで思考・行動の妨げになっていなか確認しましょう。課題があれば、組織の課題なのか、チームの課題なのか、メンバーの課題なのか判別することができます。
マズローの欲求5段階説とは
心理学者であるアブラハム・マズローが考えた、人間の欲求レベルを段階設定し、順番にクリアすることで自己実現するまでの心理的行動を表したものです。
マーケティングのターゲット設定や、組織人に当てはめることも可能で、考え方のフレームワークとしても使われています。
生理的欲求
生きていく上で、最低限必要なことを満たしたい欲求です。生活する上での最低限の収入があるのか、食事・睡眠・排泄が守れているかなど、職場での最低限な取り決めに当たる部分です。
安全欲求
安全に働くことができるような労働環境、就業規則など、働く上で日々快適に作業が行えるかどうかです。職場環境、就業環境に当たる部分です。
ここまでは、ピープルマネジメントの領域ではなく、現場環境を構築する組織のマネジメントに入ることが多いと思います。(満たしていない企業は「ブラック企業」といわれるかも)
所属と愛の欲求
組織に属したい、チームに属したい、組織的な上下横とのコミュニケーションをうまくしたい、といった他人との接点を持ちたい部分です。
職場では「チームビルディング」に関わる部分で、他メンバーとの協業を実行したい欲求です。
承認欲求
他メンバーから存在そのものを認められたいという感情に対しる欲求です。自身の存在、作業の工程や実績、コミット内容、数字などあらゆる面に対して「褒められたい」という欲求です。
この欲求で止まっているメンバーは、とにかく「認められたい」ということなので、コトに対して成功していても「認められないと意味がない」という考え方が強いです。目的が「認められたい」ということなので、本来の目的を忘れていることもあるので、注意が必要です。マネジメントする方は、注意深くメンバーをみておきましょう。
メンバーが「認められない」と感じると、攻撃的になったり他のメンバーに悪い影響を与えることもあります。(「仕事はできるのにネガティブキャンペーン」をする人、周りにいませんか?)
自己実現欲求
自身がなりたい像、自己と組織のミッション実現をひたすら求める欲求です。このレベルにくると、何か不足しているものを満たすのではなく、新しく何かを求める「成長」に達します。
1on1の本来あるべき姿
1on1の本来の話すべきことは、自己実現欲求に達したメンバーの「成長」と組織ミッションを紐づけて、結果につなげることです。
もし、メンバーの欲求レベルが「安全欲求」ならば、1on1を実施する前に組織・労働の設備を整えてください。「所属と愛の欲求」や「承認欲求」ならばコーチング・ティーチングしながら、思考・行動の訓練をしましょう。
自己実現欲求に達しているメンバーは、すでに自立しています。このメンバーに対しては1on1が有効で、壁打ち相手として情報・思考・行動につなげるような話をすれば良いです。